75-85

アパレル、雑貨を中心とした小売・メーカーで働くひとたちの話。…だったが、今やコンサルタントの雑記。

販売員の個人ノルマについて真剣に考えてみる(1)

アパレル業界のみならず、
すべての販売員にとって、気になる「個人売り、販売ノルマ」。

賛成派、反対派、導入企業、非導入企業、
たくさんの意見が、ネットを見ていても存在します。

面接時の質問事項にもなっていたり
ノルマはありません、とアピールするパターンもありますね。

最近になって「ノルマ制」について深く考える機会がありましたので
ひとつ記事にしてみようと思います。

■ そもそも自分は賛成・反対?

基本的なスタンスとして、販売員の個人ノルマについては「賛成」です。

その理由の一つとして、
「自分が販売員だった時、まさにノルマ制だった」ということが
大きく影響しています。

新卒で入社した会社は、まさに「個人売り」が
非常に重要な評価指標でした。

店長になるためには、ノルマ達成必須であったし
いくら他の業務を頑張っていようが、ノルマ達成が出来ていなければ
ほとんど評価されない環境でした。

その「ノルマ制」≒「個人売上予算」が引き起こす、
たくさんの問題点は感じていたものの、
この制度があったことで、私が店長になれたのも事実です。

■ ノルマ制の販売は得意だったのか?

答えはNOに近いです。
いや、少しずつ得意にはなっていったと思います。
そして誤解の無いようにはっきり言いたいのは
「接客販売自体は好き」ということです。


NOと言った、要因は大きく2つのことがあてはまります。

(1)婦人服を男性がどのように接客していいか、なかなか掴めなかった
それまで、メンズのジーンズショップでアルバイトをしていたためか
ファーストアプローチの仕方、接客トーク、試着中の動き方、などなど
なかなかギャップがあったことを思い出します。

特にファーストアプローチには苦戦しました。
同僚のアプローチスピードに、ずっと勝てなかったのです。

基本ルールとして、
「はじめに声をかけたひとが、そのお客様の担当」
となっていたので、ファーストアプローチの遅さは致命的でした。

声がかかっていないお客様を探して、おこぼれを稼ぐ感じです。
でも、それでは大して売上を上げることは出来ないことには
当然気づいていましたが、どうにも苦手でしたね。

焦って早く声をかけ過ぎるという、失敗もたくさんしました。
そのベストタイミングを見つけるのが本当に難しかったです。

でもそのお客様を自分のお客様として、確定させる。
というアクションが、ノルマ制の販売においては非常に重要でした。

今となって思うと【お客様の立場を考えて、お声がけ】だけ
心がけていれば良かったと本当に思います。


(2)チームワークが崩れるのを恐れていた
何人かいる販売スタッフの中で、男性は自分一人でした。
いわゆる「お客様の取り合いでのもめ事」に巻き込まれたくなったのです。

実際時々、スタッフ同士での「私のお客様」問題は起きていました。

よくあったケースは「顧客様は誰のお客様」なのかです。

ある販売員の休憩中に、その販売員の顧客が訪れ、
その間、別のスタッフが接客対応をして、セットを組んでいたのに
休憩から戻ってきた瞬間、すべてを奪われる、という。

顧客様関連での、いざこざは多かったですね。
実際に、数回、私も巻き込まれています。

とはいえ。
これも【顧客様の立場からすれば、販売員同士のノルマなど関係ない】ですね。




ここまでお読みいただくと、
「賛成派である」という様には、読み取れないかもしれません。

繰り返しになりますが、私が店長へとステップアップ出来たのは
この制度があったからです。

そして当時、早く店長になりたかった。
ですので、上記のようなことはあったとしても、やるしか無かった訳です。

結局、私は
「絶対に店長になりたいから、みんな助けて」と、
先輩方、他のスタッフに懇願。

接客のテクニックを教えてもらい、アプローチを譲ってもらったり、
複数のお客様の接客中のサポートなど、たくさん助けてもらいました。

その結果、それなりの成果が出て、晴れて店長になれました。
当時のメンバーには、今でも感謝しています。

本部から見て
「普段どのような働きぶりかはわからなくても」
「個人売上結果が見える化されているから、評価できる」ことで
店長になれた、とも言えます。

また、少なくとも「日々の達成感、やりがい」には
つながっていたことも事実です。

個人売り予算が達成出来た日の晩ご飯は、おいしいです。
また店長から「褒められたり、叱咤されたり」の理由としても
非常に納得しやすかったと思います。


今回はここまでです。
次回は、コンサルタントの立場としても
ノルマ制に「賛成」なのか、について記事にしたいと思います。

売れる販売員が絶対言わない接客の言葉

売れる販売員が絶対言わない接客の言葉

普通じゃいけないんですか

しばらく更新がとまっており、申し訳ありません。

ここ最近、私の生活にも色々な変化があり
更新を継続することが出来ておりませんでした。

この期間に新規のお取り組みや
プライベートな引っ越しなど・・・色々ありました。
(どうでもよい)

立った今、ちょっとだけ時間の合間が出来たこともあり
久々に「書きたい」という出来事もあったので
記事にしてみたいと思います。

とはいえ、インタビュー記事のような文体ではなく、
私らしい(?)文章で書いてみようと思います。




■ ある日の出来事

先日、友人から。

といっても、以前の仕事つながりの一応私の店長時代の教え子
(ほんの少しの期間なので、実はおこがましい・・・)であり
今となっては、私が足元にも及ばない、現役スーパー店長に会う機会がありました。

何気ない会話だったのですが、
なかなかに心にグサッとくる一言がありました。

「コジマさんは、店頭で普通に頑張れば売れる時代しか知らない」

「そんなことはない」と言いたいですが、
店頭に店長として立たなくなって10年近く。そうなのかもしれません。


私が店長をやっていた時代は、2000年半ば頃。
郊外ショッピングモールがどんどん台頭してきた時期。
まだまだファストも進出していない時代。

打出しを適切に行えば、それなりに反応してくれる。
接客を愚直にやれば、それなりに買ってくれる。

そういう時代だったのかもしれません。

逆の言い方をすると「今は、普通に頑張っても売れない」
と言えるのかもしれません。


■ じゃあ「普通」って何なのか。と考える。

反対語は「希少、異色、特別」など

わかる気もする。

希少価値のある商品があって、
他にはない、見たこともない、異色な陳列・提案?をして、
すべてのお客様に、特別扱いな接客をする。

これすべて、お客様の立場に立ったら
どれも「響きそうな」言葉の音色ですね。


確かに振り返ると、2000年代半ば。
一生懸命、VMDも考えて売り場を作り、
接客も丁寧にして、顧客作りも頑張ればOK。

常に忙しい店頭で「がむしゃら」ではあったけれども、
そこまで「普通にやっていてはだめだ」とは考えていなかった様に思います。

どんな競合にも負けないサービスを提供したい、
とは思っていたけれど、それも比べれば
みんなが頑張っていた「普通のこと」だったのかもしれません。

このご時世、何か普通ではないことを仕掛けなければ
勝ち抜けないのかもしれません。

特に店頭で日々、お客様に接している販売員にとっては
当たり前のように痛感していることなんでしょうね。


■ もう一つだけ「普通」でなくなった事

なんと言っても、業界に飛び込んでくる人間の数だと思います。

あの時代は「とにかくこの店で働きたい」という
強い意志を持ったアルバイト希望が多かったです。

ところが、ここ数年「店頭スタッフが集まらない」という
ご相談が、急に増えてきました。

そこで私が、ご提案している事については、ここではさておき。
(業界的にさておいては、いられない状況なのは存じておりますが)

販売員募集も「普通」ではだめになってきているんでしょうね。

かと言って、時給を上げるのも「普通」なんでしょうね。
今は、絶対的に「好き」という感情がなければ続かないように思います。

昔は「好きで応募しました」だけれども、
今は「どうにか入ってもらって、好きになってもらう」という所が
決定的な違いの様に思います。
(今でも、はじめから好きで入られる方も当然おりますが・・・感覚的には少ないです)


■ 結局のところ

「コジマさんは、店頭で普通に頑張れば売れる時代しか知らない」
と、グサッと刺されてから。

言うは簡単。実行するのが難しい。を承知の上で言えば・・・

とにかく・・・

「お客様の目線や、働きたいという目線」で
普通じゃない・・・何か「特別」な仕掛けを用意するしかない
のだと思います。

触れたことも無いような、希少価値のある商品や。
見たことも無いような、目を引き付けられるVMDや。
されたことも無いような、特別な接客サービスや。
体験したことも無いような、楽しい就業体験を。

それをいかにコンスタントに提供出来るのか・・・
のようなスキームに入ってきているのでは。と。

難しいのは、新しい取り組みもすぐに陳腐化してしまう事でしょうね・・・。

コンサルタントである私自身も
そのスピードに負けない、チャレンジをし続けないといけない、ということを
強く感じ、反省もし、頑張ろうと思った出来事でした。


ご意見、コメントぜひぜひお待ちしております。

今後の「75-85」

今日は通常のアップ日とは違う、金曜日である。

更新が滞っていたのには訳がある。


一番最近のインタビュー日に遡ること、およそ1ヶ月前。

6日目のインタビュー記事の対象者は、昔からよく知る知人。
色々と、今までの記事に対する酷評と賞賛を同時に頂きつつ、
約1時間半程度の会話を終えた。

実際の記事公開は、おそらく今後に公開となるだろうが、
今回ばかりは、話しの内容をまとめるのが難しいと思っている。

今回のインタビュー対象者は、
「トップスピードで走っていたブランドの、店舗のトップに居続けた女性」。

筆者の興味、関心度はかなり高い。

・何故トップに居続けられたのか(モチベーション含む)
・仕事に対する姿勢について
・そして、近況

たった一時間半の中では、おさまり切らないエピソードがあり、
また次回に話しをすることで、一旦インタビューは終了したが。

今回は、この「75-85」に対する意見を聞いていて、
今後のインタビュー記事のあり方について考えることがあった。

自分の思考をまとめる意味合いが強いが、
今後の方向性や期待等も伺ってみたい思惑があり
それを記事にして公開してみようと思う。

誤解を恐れずに言うが、
ただ単に「面白い」と言ってくれるのとは違う喜びもあった。

何事も屈託のない意見、というのは気持ちよいものである。
この記事は「75-85の筆者の取り組み方について」といった所だろう。

それを表現するまでは、新しいインタビュー記事を
作成する気になれなかったからだ。

以下、酷評されたことに対して、
考えを整理しようと思う。


■ 良いところで話しが終わる

ある意味で、狙い通りでもあるし、自分の文章のまとめ力の弱さでもある。

このインタビュー記事を始めた目的については、

ごあいさつ - 75-85 や
サイト名『75-85』の由来 - 75-85 で、
触れてきたことではあるが、

確かに、「インタビュー対象者のエピソードを不足なく伝える」ことを
出来切れていないと言える。

今までインタビューをしてきた方々は、
それぞれとても魅力的なストーリーを持ち、
今を頑張っていると感じるのだが、

その方々のストーリーを
ドラマティックにまとめるつもりは無かったし、今後もない。

とはいえ、

少しでも、いま、このような業種業界で働き、頑張っているひとの情報を発信できたら。

それが今回のサイト開設の一番の入り口です。

ごあいさつ - 75-85

と宣言している割には、確かにその部分が矛盾しているのかもしれない。

■ 狙いがよくわからない

ひとことで言ってしまえば、
「75-85」のインタビューは、趣味やライフワークに近いのだと思う。

筆者は仕事柄、たくさんの会社のたくさんの仲間と接するチャンスが
普通の会社員よりは多くあり、恵まれていると思う。

そこには、それぞれの頑張る理由や思いがあり、
日々刺激を受けつつ、仕事に取り組めるのだが、

せっかく話しをしてくれる、インタビュー対象者の話しを、
もう少しうまく表現できれば狙いも明確になるのかもしれない。

■ 今後はどうしていくのか

ブログリニューアルから4ヶ月間は、
ずっと週2回のアップを続けることが出来た。

これは、初期のモチベーションの高さからであり、
書きためた記事があるから、小出しに出来たことに起因している。

今日現在、書きためた記事は(没になったものも含めて)ない。

更新ペースは少し落としつつも、
筆者自身としては、100回のインタビュー記事アップを
何年かかけてでも、目指したいと思っている。
まだ5回の記事しかないので、目標進捗5%でしかないのだが、

せっかくのたくさんの出会いがある、
今の状況を生かさない手はない。

ありがたいことに、楽しみにしてくれている方々には、
ぜひ色々、素直な意見や感想を頂ければ幸いだ。

仕事に悩んだ時、働きかたに悩んだ時に、
100人のエピソードがあって、エネルギーを少しでももらえる。

そんなサイトになっていければ、と思う。



と。言うわけで、少し普段とは趣向を変えて見ました。

固い書き方をするのは、個人的にも「笑えてくる」のですが、

本当はリラックスした、文章で記事を書いた方が、
キーボードをたたくスピードも格段に早いです。

でも、できる限りの中立性を表現するのには、適した文体なのだろうと。

引き続き、インタビュー記事の目的の範囲を意識しつつ
私自身のキャラクター表現の場としても、続けていければと思っています。

ここまでお読みいただきありがとうございました!