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アパレル、雑貨を中心とした小売・メーカーで働くひとたちの話。…だったが、今やコンサルタントの雑記。

販売員の個人ノルマについて真剣に考えてみる(1)

アパレル業界のみならず、
すべての販売員にとって、気になる「個人売り、販売ノルマ」。

賛成派、反対派、導入企業、非導入企業、
たくさんの意見が、ネットを見ていても存在します。

面接時の質問事項にもなっていたり
ノルマはありません、とアピールするパターンもありますね。

最近になって「ノルマ制」について深く考える機会がありましたので
ひとつ記事にしてみようと思います。

■ そもそも自分は賛成・反対?

基本的なスタンスとして、販売員の個人ノルマについては「賛成」です。

その理由の一つとして、
「自分が販売員だった時、まさにノルマ制だった」ということが
大きく影響しています。

新卒で入社した会社は、まさに「個人売り」が
非常に重要な評価指標でした。

店長になるためには、ノルマ達成必須であったし
いくら他の業務を頑張っていようが、ノルマ達成が出来ていなければ
ほとんど評価されない環境でした。

その「ノルマ制」≒「個人売上予算」が引き起こす、
たくさんの問題点は感じていたものの、
この制度があったことで、私が店長になれたのも事実です。

■ ノルマ制の販売は得意だったのか?

答えはNOに近いです。
いや、少しずつ得意にはなっていったと思います。
そして誤解の無いようにはっきり言いたいのは
「接客販売自体は好き」ということです。


NOと言った、要因は大きく2つのことがあてはまります。

(1)婦人服を男性がどのように接客していいか、なかなか掴めなかった
それまで、メンズのジーンズショップでアルバイトをしていたためか
ファーストアプローチの仕方、接客トーク、試着中の動き方、などなど
なかなかギャップがあったことを思い出します。

特にファーストアプローチには苦戦しました。
同僚のアプローチスピードに、ずっと勝てなかったのです。

基本ルールとして、
「はじめに声をかけたひとが、そのお客様の担当」
となっていたので、ファーストアプローチの遅さは致命的でした。

声がかかっていないお客様を探して、おこぼれを稼ぐ感じです。
でも、それでは大して売上を上げることは出来ないことには
当然気づいていましたが、どうにも苦手でしたね。

焦って早く声をかけ過ぎるという、失敗もたくさんしました。
そのベストタイミングを見つけるのが本当に難しかったです。

でもそのお客様を自分のお客様として、確定させる。
というアクションが、ノルマ制の販売においては非常に重要でした。

今となって思うと【お客様の立場を考えて、お声がけ】だけ
心がけていれば良かったと本当に思います。


(2)チームワークが崩れるのを恐れていた
何人かいる販売スタッフの中で、男性は自分一人でした。
いわゆる「お客様の取り合いでのもめ事」に巻き込まれたくなったのです。

実際時々、スタッフ同士での「私のお客様」問題は起きていました。

よくあったケースは「顧客様は誰のお客様」なのかです。

ある販売員の休憩中に、その販売員の顧客が訪れ、
その間、別のスタッフが接客対応をして、セットを組んでいたのに
休憩から戻ってきた瞬間、すべてを奪われる、という。

顧客様関連での、いざこざは多かったですね。
実際に、数回、私も巻き込まれています。

とはいえ。
これも【顧客様の立場からすれば、販売員同士のノルマなど関係ない】ですね。




ここまでお読みいただくと、
「賛成派である」という様には、読み取れないかもしれません。

繰り返しになりますが、私が店長へとステップアップ出来たのは
この制度があったからです。

そして当時、早く店長になりたかった。
ですので、上記のようなことはあったとしても、やるしか無かった訳です。

結局、私は
「絶対に店長になりたいから、みんな助けて」と、
先輩方、他のスタッフに懇願。

接客のテクニックを教えてもらい、アプローチを譲ってもらったり、
複数のお客様の接客中のサポートなど、たくさん助けてもらいました。

その結果、それなりの成果が出て、晴れて店長になれました。
当時のメンバーには、今でも感謝しています。

本部から見て
「普段どのような働きぶりかはわからなくても」
「個人売上結果が見える化されているから、評価できる」ことで
店長になれた、とも言えます。

また、少なくとも「日々の達成感、やりがい」には
つながっていたことも事実です。

個人売り予算が達成出来た日の晩ご飯は、おいしいです。
また店長から「褒められたり、叱咤されたり」の理由としても
非常に納得しやすかったと思います。


今回はここまでです。
次回は、コンサルタントの立場としても
ノルマ制に「賛成」なのか、について記事にしたいと思います。

売れる販売員が絶対言わない接客の言葉

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