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アパレル、雑貨を中心とした小売・メーカーで働くひとたちの話。…だったが、今やコンサルタントの雑記。

DBの「販売職からのキャリアチェンジ」

■ はじめに

私の周りでは、ディストリビューターになる前に店長職を経験されている方は体感6~7割という感じです。誤解を恐れずに言うと、ディストリビューターは店長職を経験している方が有利になる事が多いと思います。日常的に店長と関わる仕事のため、相手の立場に立った考え方が容易になるためです。ここでは店長職からディストリビューターになる際に忘れてほしくない店長の考え方を記事にしたいと思います。と同時に、店長職を経験していない現役ディストリビューターの方にとっても、役に立つ内容になればと思います。

■ 1日1日の売上が大切

店長職に就かれた事のある方にとっては当たり前なのですが、店長は日々1日1日、自分のアクションの結果に○・×がはっきりと出るのが特徴だと思います。ディストリビューターはその店長の日々感じているプレッシャーを忘れてはいけないと思います。ディストリビューターの結果・成果は、早くても1日後(例えば商品出荷→店舗着)、売価変更指示によるセールの結果の場合であれば1ヶ月から2ヶ月後、シーズン成果であれば半年後など、それなりに結果が出るまでにリードタイムがあります。本部職と店舗職でのギャップになりやすいのが、この成果が出るまでのリードタイムです。店長の日々の必死さを忘れては、良いディストリビューションは出来ないと思います。

■ 荷受けの大変さを忘れない

ディストリビューターはPCでの指示一つで、商品を出荷する事が可能です。時折陥る事なのですが、出荷指示が数値だけのイメージになってしまい、出荷商品のボリューム感、着荷タイミングなどがないがしろにされてしまうケースです。日々出荷の場合は何点の商品を出荷していて、在庫上代ではいくらで、どれくらいのパッキン(段ボール)になって、どれくらいのスペースを埋める事になるのかを具体的にイメージ出来る様にしておきたい所です。また、店舗に商品が着荷するという事はそれらを荷さばきする人員が必要になります。どれくらいの人時で作業を行う事になるのかも想像出来るようになっておきたいです。

■ 商品移動の指示を受けた時の心理

店長にとって、移動の振出(払出)は大きく二通りの思いになります。一つは「売れそうな商品を抜かれた」もう一つは「いらない商品を抜いてもらえた」です。しかしながら比較的「売れそうな商品を抜かれた」という移動が多いのではと思います。ディストリビューターはパズルを組み上げるように移動指示を作る大変さもありますが、売れ筋の商品を移動を指示する場合は、その後代わりになる商品の入荷をお知らせするなどケアすべきだと思います。
また、移動の受入の場合も大きく二通りの思いになります。「売れる商品(欠品していたもの)が入ってきた」「不要な商品が入ってきた」のどちらかです。売れる商品が入る場合は、まだ良いのですが「不要な商品」と店舗が判断している場合、移動の指示としては失敗になります。荷さばきをして商品がストックに入ってセールまでそのまま・・・のようなケースを起こしてしまっては、移動指示に掛けた時間、店舗が荷さばきした時間ともに無駄なものになってしまいます。移動を指示する場合、この移動が売上に繋がるものかどうか(店舗を助ける移動なのかどうか)、立ち止まって考えるべきだと思います。商品移動そのものについては沢山のお伝えしたい内容やケーススタディがありますが、それは別の機会にしたいと思います。

■ 相手の店舗の売上を把握しているかどうか

ディストリビューターは店舗にコミュニケーションを取る場面が多い職種ですが、メールや特に電話を店舗にする場合には、その店の売上状況を事前に把握してから行われる事をおすすめします。理由は上記に記述した1日1日の売上に必死である店長と同じ目線になるためです。

■ 1店舗1店舗として接するようにする

様々な職種と同じように、ディストリビューターは忙しい職種です。店舗からの問い合わせがいつあるか解らないという事、それが複数店舗から同時に起きる可能性があるという事からすると、自分自身で時間のコントロールがしづらい職種の一つだと思います。店舗から電話が掛かったきた時に他の電話に出ていて出られず、折り返すと接客中・・・でずっと電話が繋がらない、というケースもよくあります。そういった際に忙しさにかまけて電話が事務作業になりがちなのですが、そこで1店舗として接する事を意識出来るか、が重要になってきます。店長職に就かれている方は部下のマネジメントを日々行っているため、そういった姿勢やスタンスを見抜く力に優れている事が多いです。

■ 相手の立場に立てるかという事

ディストリビューターから見れば、1店舗は何店舗かある中の1店舗ですが、店長からすれば一つしかないディストリビューション部隊という事です。この事を店長出身者のディストリビューターは理解出来ているはずです。ディストリビューターは1対1の関係性を意識してコミュニケーションを日々どこまで取れるか?を大事にして業務を遂行する事を大切にして欲しいと思います。