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アパレル、雑貨を中心とした小売・メーカーで働くひとたちの話。…だったが、今やコンサルタントの雑記。

脳みそのギアチェンジを意識すると仕事が捗る話

コンサルタントになってから意識していることのひとつに「思考のギアチェンジ」というものがあります。

自然に行っているひとも沢山いますので、偉そうに語ることではありませんが、私自身、意識して身につけたことですので、少しまとめてみることにします。

■そもそも「思考のギアチェンジ」とは

私が意識しているのは、場面場面に合わせて、「トップギア」と「ローギア」を切り替えてものごとを考えるというクセのようなものです。

具体的には、

今こそ、トップギアに入れなきゃ!

ここはゆっくり、ローギアでいこう

など、頭の中で切り替えるようにしています。

■「トップギア」に入れる場面とは

ほとんど場合、即答が迫られるような場面で「トップギア」に入れます。知識・経験・その場の思考を総動員して、質問に対する回答を脳みそフル回転で考えなければならない状況です。プレゼン中にいただいた質問であったり、ミーティング中に話しを突如ふられたり、突然話しかけられて質問されるような場面では「トップギア」に意識的に入れます。総じて、このような場面は相手が「即座に"回答"」が欲しい場面ですね。とにかくスピード感を意識しなければならない状況です。

■「トップギア」のデメリットは

基本的には、そもそも常に「トップギア」の方が良いと考えがちではないでしょうか。質問に対して即回答。一見よさそうに見えます。ですが、トップギア状態というのは、いわゆる車で例えると高速道路をフルスピードで走るようなものです。車の免許を保持している、もしくは現在教習中の方の方がなじみが深いかと思いますが、JAFのホームページによると、

運転者は視覚で多くの情報を得、注視点で物体の動きを認識する。
一般に速度が高まるほど動体視力が低下し、物が見えにくくなる。
130km/hの視野範囲は30度で、低速時より危険認識能力が減退する。

速度と視野の関係を教えてください。|JAFクルマ何でも質問箱

というように、上記は運転中の例ですが、思考においても視野が狭い回答になるリスクがあります。当然質問に対する、ピンポイントで正しい回答をすることが求められているのですが、物事を大局的に捉えにくくなる可能性を秘めていると考えています。こういった場面では、経験やベストプラクティスに頼りがちな回答となります。

一番良いパターンは、その質問を事前に想定していて、回答を準備しておりピンポイントで的を射ることです。そのように上手くいくこともありますが、質問というのは想定外のものもありますので、できる限り想定外の質問にならないように事前シミュレーションをしておくことも大切かと思います。

■「ローギア」ってサボっているだけじゃないの?

サボっていません。私自身、意図的にローギアに入れて考える場面というものがあります。

  • じっくり方向性を模索すべき場面
  • 質問を想定している準備時間
  • 課題の具体的解決
  • 戦略検討

などの場面では、完全に「ローギア」に入れています。ほとんどの場合「一人で考えている」時は「ローギア」です。
 
「ローギア」というと、どうしてもスローモーションなイメージもついてまわりますが、車の運転時に例えると、走り出し、急な坂道を上るときや周囲の安全に気を配るような場面、滑りやすい路面などを走るときに使うものだと思います。

■「ローギア」は上手く活用すると、良質なアイデアが生まれる可能性がある

私の場合「今はローギアで考えるべき時間だ」と思って、思考します。ポイントはそのように一度自分に働きかけることです。ゆっくりじっくり考えることで生まれるアイデアがありますので、使い分けが大事だと思います。

■「ローギア」と「トップギア」を即座に切り替える訓練

まだまだ訓練中ですが、今どのように脳みそを動かすべきなのか、を意識することが大切なのだと思います。急に電話がかかってきた時、突然質問が飛んできた時、ローギアのままでは相手の期待を裏切るようなことになってしまいます。とにかく即座にギアチェンジが出来るようにすることが大切だと思います。

■ブログはどのギアで書いている?

何を書こうかな・・・は「ローギア」で、書き始めたら「トップギア」で書いています*1

この応用がプレゼン資料作成です。ページネーションを考える時は、「ローギア」でじっくり、ロジカルな流れになっているか?聞き手には伝わるか?を考え、実際の作成に入ったら「トップギア」で一気に作り上げます。プレゼン資料はブログとは違い、誤字脱字は許されませんので、

  • 「ローギア」(ページネーション、結論を検討)
  • 「トップギア」(一気に作成)
  • 「ローギア」(誤字脱字チェック、相手に本当に伝わるかを検討)

というプロセスを経て完成させる事がほとんどです。

そしてプレゼン本番では、

  • 「ローギア」(プレゼンテーション時)
  • 「トップギア」(質疑応答時)

という流れを意識しています。

■まとめとして

そもそもコンサルタントになる前は「トップギア」に入れてフル回転で物事を考える場面ということそのものが少なかったように思います。今思うと、ずっと「ミドルギア(?)」に入りっぱなしで、意識も特にしていなかったように思います。さらに訓練して「トップギアの限界突破」と「トルクのあるローギア」を身につけられるように日々努力したいと思います。

普段車乗らないひとにとっては分かりにくい記事でごめんなさい。

*1:だから誤字脱字が発生。言い訳です