第4回『販売からのキャリアアップ(83-84)』 その1(予告) - 75-85
前回からの続き。
ようやく、三人でテーブルを囲むことが出来た。
早速話しを聞いてみることにする。
いつもは、インタビュー相手のことを
「彼女」などと表現しているのだが
いかんせん今回は対象が2名なので、
それぞれ
お名前のイニシャル「Mさん」「Kさん」と表現してみる。
「2人のタイプはまったく違う」
Mさん:接客販売に非常に強い
Kさん:チーム構築に非常に強い
これは、両名それぞれが自分で言い切ったことであり
それぞれも相手を、そう認めていることである。
Mさんは、部下を育てることは得意でないと言い切り
Kさんは、接客販売は得意でないと言い切る。
とはいえ、3年やそこらの店長経験しかない自分からすれば
お互いが得意でないと言った業務について
私よりもその技術に長けていることは間違いないと言える。
おそらくお互いを相対的に、得意だ不得意だ。
と言っているだけだと思うが、
得意なことを「得意と言い切り」、
不得意なことを「不得意と言い切る」
そんなに簡単なことではないと思う。
ともかく2回目となる今回は、
販売に強い「Mさん」の話を中心にまとめてみることにした。
■ Mさんの話
彼女は、以前の会社に勤める前から、
もともと某カジュアルチェーン店での販売経験があった。
以前の会社での経歴として、
サブ店長として、初めての店舗に3ヶ月。
次に、店長として3ヶ月。
そして、新規出店店舗の店長として
大型SCに3年間、店長として勤め上げた。
(その後も新規出店先でも店長を勤めている)
話しを聞いていくと、どうやら、
最初の3ヶ月、店長となってからの3ヶ月、の計2店舗では
かなり集客の少ない所にいたようだ。
そこで彼女は「得意である接客」を生かし
売上を作って成果を出し、順調にステップアップしていく。
店舗運営はチームワークが大切だが、
彼女はまず結果を残すことに執着心があったのではないか。
彼女に限らずだが店長を経験している人間は、
いかなる結果に対しても、執着心が強い場合が多い。
小売りの世界では、特に店舗ではよくあることだが、
いくらプロセスを頑張っても、結果が出なければ
なかなか本社からは評価されにくい。
だから場合によっては「わがままな人間」と
言われることだってある。
もちろんチームビルドというプロセスをないがしろにしてしまうと
売上はついてこないのだが、
彼女はそんな中でも、結果を出してきたようだ。
ただこのエピソードだけだと、
「スタッフを教育しない、一匹オオカミ店長」なのだが、
彼女は後に、店舗、店長を指導する立場でもある
スーパーバイザーとして活躍している。
■ 得意分解が出来ている
「教育が得意ではない」という言葉から考えると
自分で気づいたか、誰かに指摘されたかまではわからないが、
スタッフをほったらかしにする、ということは無さそうだ。
少なくとも「得意ではない」とは表現しないと思う。
おそらく「好きではない」という表現が近い。
○○が得意で、△△はまあまあ出来る、でも××は苦手。
この「○○」や「△△」という分解が、たくさん出来る店長は
とても優れたひとなのだと思っている。
「何でも出来る店長」よりも、
より自分の業務を俯瞰し、分解して考えているからこそ
得意、不得意で相手に語れるのだと思う。
これは職種、業界、関係なく当てはまると思っている。
ともかく、彼女は
「相手は問わず、接し、思いを伝え、提案する」
ということを得意としている、と言えるだろう。
前回の記事で、
ひとりは、小売からディベロッパーの世界へ。
とご紹介したが、彼女はディベロッパーの世界でも
その得意な技術を生かして活躍している。
細かなエピソードは次回以降に記述するつもりだが、
「接客販売」が得意、を「営業力」に変換して日々働いているのだろう。
店頭での業務を愚直に取り組んできた人たちは、
自分の強みを理解し、分解さえ出来れば、
うまく技術を、他のスキルに昇華して活躍できるのだと思う。
販売からのキャリアアップにおいて、
ひとつのポイントのように、感じた。
今回はここまでです。
次回はもうひとりの「Kさん」のエピソードに触れていきます。
おそらく全三回、では収まらない感じです。
75-85.hatenablog.com
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