75-85

アパレル、雑貨を中心とした小売・メーカーで働くひとたちの話

第4回『販売からのキャリアアップ(83-84)』 その4(終)

前回までは、彼女たち二人の店長時代のエピソードでしたが
最終となる今回は、予告通り彼女たちの「今」をまとめていきます。


■ Mさん

ひとりは、小売からディベロッパーの世界へ。

「接客販売」が得意、を「営業力」に変換して日々働いているのだろう。

彼女のことを上記のように記述したが、
今の彼女は館の販促をマネジメントする仕事をしている。

彼女は店長時代、集客の弱い館での店長経験をしているのだが
厳しい集客の中で売上をどう作るか悩む中、
ディベロッパーの営業担当に多く助けられてきたとのこと。

筆者の今の立場としては、あまり書きたくないのだが・・・
「遠くの本部より、近くのデベ担当」が
彼女を支えてきたと言えるのかもしれない。

ともかく、そんな経験から、
彼女は店長を支える側の仕事を選んだようだ。

「B to C」から「B to B」への移行をした彼女だが、
専門店や店長がお客様という立場だと考えると、
お客様の気持ちがわかって仕事ができる、というのは大きな強みだろう。

自分で売上を直接取りにいくことは、出来ない立場ではあるが
結果に執着する姿勢は変らずということで
まったく新しい世界でも、うまくやっていけているように感じた。


■ Kさん

ひとりは、小売からハイエンドブランドの世界へ。

ハイエンドブランドに飛び込んで2年になるとのこと。

一番の変化は「客単価」が「0ひとつ増えた」こと。
「店長」から「いちスタッフ」になったこと。
お客さまへの「接し方」、お客様の「買い方」が変ったこと。

同じ販売の仕事ではあるが
そこには大きな変化があったようだ。

結果として、彼女の強みであろう「チームマネジメント」が
直接は生かし切れないポジションにある。

実際に、もう一人のMさんからは
「マネジメント力が生かせる仕事をやっぱりした方がよいのでは?」
と言われてはいたが(筆者も端的にはそう思う)

ハイエンドから小売SPAまで出来る、
というスーパー店長、販売員にはあったことが無いので
客観的に見れば、ぜひ今の環境でも活躍して欲しいと願う。

大先輩が急激に増える、という経験はなかなか出来るものではない。
また一度、スーパーバイザーまで勤めた人間が
もう一度、いちから勉強するという道を選んだことには
尊敬の思いしかない。


彼女たち二人へのインタビューはあっという間に終わった。
二人は、出身は同じだが、まったく別の世界にそれぞれ飛び込んだ。

この二人から共通して感じたのは、
30歳を過ぎても
「初心に戻る事に抵抗を持たずに」
「どうにか結果を出そうという執着を強く持つ」ことだ。

数時間の話しの中で、
昔を懐かしむ言葉たくさんあれど、
昔に戻りたいという言葉は、どこを探しても聞こえなかった。

加えて、昔と今を比べる、という言葉もない。
彼女たちは以前の勤め先で、大きな成果を上げていると思う。
ポジションとしても良いところにいたはずだ。

転職すること自体に、良い悪いと言及するつもりはないが
高いポジションを捨てて、働く環境がどのように変化しても、
柔軟に対応し、手を緩めず取り組むことが出来るのは
こういうひとたちなのだろうと思う。

売れる販売員が絶対言わない接客の言葉

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