75-85

アパレル、雑貨を中心とした小売・メーカーで働くひとたちの話。…だったが、今やコンサルタントの雑記。

第4回『販売からのキャリアアップ(83-84)』 その3

第4回『販売からのキャリアアップ(83-84)』 その1(予告) - 75-85
第4回『販売からのキャリアアップ(83-84)』 その2 - 75-85

からの続きで、今回がその3、となります。

ひとりは、小売からハイエンドブランドの世界へ。

とご紹介した、もうひとりのエピソードに触れていきます。


■ Kさんの話

彼女は「チームワーク構築が得意」である。
それが、前回の記事で一部触れたこと。

今回は「チームワーク構築が得意」なひとのエピソード。である。

とはいえ、筆者は
「チーム作りが得意」という店長には
今までもたくさん出会うチャンスがあった。

別の記事で少し触れた、
筆者の店長時代の先輩店長なども
非常にチームワーク構築に長けている店長であった。


小売の現場にいる人間ならば
実際にその店舗空間、空気に触れることで
「チームがうまくいっているか、いないか」を
なんとなく感じることが出来ると思うが

今回少し違うことは、聞いたエピソードだけで、
「その店舗はチームワークがうまくいっていそう」だと感じた。

それは、初めての経験だった。
そのエピソードのいくつかを、下記まとめてみようと思う。

■「この店で働きたい、という強い意志があるなら必ず採用する」

このひとことだけなら、当たり前の考え方ではないか、
というように感じるのだが、このエピソードには続きがある。

「おしゃれではなくても、ファッションをあまり知らなくても採用した」
に始まり、

「採用したら、そのスタッフを可愛くすることを意識してきた」
というストーリーに続く。


かつて、婦人服で働く男性店長だった自分には、
とうてい出来ない技ではあるが(可愛くするなど考えたこともない)

どうやら可愛くする、という考えは
スタッフに自信を持って店頭に立ってもらおうという考えからのようだ。

販売員にとって「テンション」は非常に大事だ。
スタッフたちのテンションによって、
1日の売上が大きく変る経験は、嫌になるほどしてきた。

スタッフのテンションを重要視するマネジメントだと考えると、
彼女の行いは正しいのだと思う。


エピソードは、より具体的な詳しい話へ続く。

「眼鏡だったスタッフをコンタクトにさせた」
「メイクやヘアアレンジを教えていた」
「実際に髪をセットもしてあげた」

コンタクトにしなさい。
ヘアメイクに気をつかいなさい。
漠然と、ファッションセンスを磨きなさい。

これでは、誰も言うことを聞かないだろう。
そこには彼女なりの、誠意か思いか、一生懸命さか、
何かしらの要素が加わっているから、出来るのだろう。

そして、スタッフは店長のことを信頼しているからこそ
いささかデリケートな「見た目にまつわる」こと
受け入れられたのだろうと思う。

きっと本気で、スタッフに対して向き合ってきたからこそ出来ること。
軽い気持ちで行動していたようには、思えなかった。

蛇足だが、筆者は店長時代に
男性の先輩店長に「ファッションは褒めても、メイクには触れるな」
という、実戦的なアドバイスを頂いており、徹底してきた。


男性店長→女性スタッフ、への気遣いはまた違う。
これを読んでいるかもしれない男性店長には、一応補足。

販売員にとって「テンション」は非常に大事だ。
と冒頭に記述したが、

「テンションを上げてもらう」ではなく、
「自信を持ってもらう」ことが大切なのだろうと考えが変化した。

販売の仕事は、嬉しいこと・楽しいこと・つらいこと・かなしいこと、の
起伏が大きく出やすい仕事だと思う。

1日の間に、たくさんの知らないひとと接して
色々な会話ややりとりを行う。

「テンションをあげてもらう」ではなく、
「みんなの自信を高める」に力点をおいていたら
筆者の店長時代は、もう少し変っていたかもしれない。

そんなことを感じながら、話しを続けていたが

彼女は、自分の強みについて
「チームワーク構築が得意」ではなく。

「スタッフを輝かせるのが得意」と言い直した。


その3はここまでです。

お二人の、店長時代のエピソードについては
ある程度ご紹介出来たと思います。

次回は、そんな彼女たちの「今」について
まとめていければと思います。

タイトル通りキャリアアップストーリーを
お伝えできれば幸いです。

75-85.hatenablog.com
↑ 次回記事はこちら


「ありがとう」といわれる販売員がしている6つの習慣 (DO BOOKS)

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